2014年12月22日月曜日
2014年12月19日金曜日
心を動かす言葉たち「ブランド」より
セールスマンは、チャイムを押して、少なくとも名前を名乗って、会ってくれるかどうか聞いてからモノを売る。なのにTVのCMは、自己紹介もしないでいきなり売り始める。CM制作に携わるものは、その恥ずかしさを意識しなければいけない。
2014年12月17日水曜日
映画目録「パラノイドパーク」
<あらすじ>
両親の離婚、心通わぬガールフレンドとのいさかいなどに思い悩む16歳の少年。ある日、怖いモノ見たさに出かけたパラノイドパーク(スケボー公園)で、大きな罪を犯してしまう。罪悪感に悩み、苦しむ少年だったが、それとは無関係に、退屈でありふれた毎日が続いていく。本当にこれでいいのか?疑問に思った少年は、自らの行いを日記という形で言葉に表すことに。
<多分ここが面白いところ>
・ドラマを通じて、悪い奴は特にいない。パラノイドパークに誘ってきた友人も、やたら偏執的な刑事も、列車への飛び乗りに誘ってきた奴も、離婚する父親も、弟も、ガールフレンドも、特に悪い奴はいない。ただ、自分のことに手一杯なだけで。ボタンの掛け違えで、みんな、上手くいかずに頭を悩ませている。そこがこの映画の面白いところだと思う。
・見た目は抜群に可愛いけれど、初体験(背伸びすること)に夢中で、少年の心の内などお構いなしのガールフレンド。少年も本当はうんざりしているんだけど、「性欲」とか「相手に悪い」とか色んな理由で、はっきりと言えずにいる。この世代ならではの「分かるよな~」って感じがして面白かった。
・心通わぬガールフレンドに代わって、台頭してくるもう一人の女生徒。見た目は可愛くないけれど、少年の悩み苦しむ心を一生懸命理解しようとしてくれる。少年は結局、こっちの女生徒を選ぶんだけど、その選択も「分かるよな~」って感じがした。
<印象的なシーン>
バスの中で、少年の隣に座った少女が、ハンカチ握りしめているシーン。少年に対してやたらと強気で、インテリぶったことばっか言うけど、「多分、緊張してるんだろうな」って。「きっと、悩んでいる少年の手を握ってあげたかったんだろうな」って。そういうのがよく伝わってきました。
※少年の猫背な歩きを後ろから撮ったシーン(迷い・不安)、黄色に染まったキレイなイチョウ並木(対比)、スイングするスケボーシーン(心の揺れ)、土管の中でのスケボーシーン(出口が見えない)など、とにかく演出にこだわりがあります。ガスバンサントの本領発揮という感じがしました。
両親の離婚、心通わぬガールフレンドとのいさかいなどに思い悩む16歳の少年。ある日、怖いモノ見たさに出かけたパラノイドパーク(スケボー公園)で、大きな罪を犯してしまう。罪悪感に悩み、苦しむ少年だったが、それとは無関係に、退屈でありふれた毎日が続いていく。本当にこれでいいのか?疑問に思った少年は、自らの行いを日記という形で言葉に表すことに。
<多分ここが面白いところ>
・ドラマを通じて、悪い奴は特にいない。パラノイドパークに誘ってきた友人も、やたら偏執的な刑事も、列車への飛び乗りに誘ってきた奴も、離婚する父親も、弟も、ガールフレンドも、特に悪い奴はいない。ただ、自分のことに手一杯なだけで。ボタンの掛け違えで、みんな、上手くいかずに頭を悩ませている。そこがこの映画の面白いところだと思う。
・見た目は抜群に可愛いけれど、初体験(背伸びすること)に夢中で、少年の心の内などお構いなしのガールフレンド。少年も本当はうんざりしているんだけど、「性欲」とか「相手に悪い」とか色んな理由で、はっきりと言えずにいる。この世代ならではの「分かるよな~」って感じがして面白かった。
・心通わぬガールフレンドに代わって、台頭してくるもう一人の女生徒。見た目は可愛くないけれど、少年の悩み苦しむ心を一生懸命理解しようとしてくれる。少年は結局、こっちの女生徒を選ぶんだけど、その選択も「分かるよな~」って感じがした。
<印象的なシーン>
バスの中で、少年の隣に座った少女が、ハンカチ握りしめているシーン。少年に対してやたらと強気で、インテリぶったことばっか言うけど、「多分、緊張してるんだろうな」って。「きっと、悩んでいる少年の手を握ってあげたかったんだろうな」って。そういうのがよく伝わってきました。
※少年の猫背な歩きを後ろから撮ったシーン(迷い・不安)、黄色に染まったキレイなイチョウ並木(対比)、スイングするスケボーシーン(心の揺れ)、土管の中でのスケボーシーン(出口が見えない)など、とにかく演出にこだわりがあります。ガスバンサントの本領発揮という感じがしました。
コービーがジョーダンを超えた。
私がコービーブライアントを初めて見たのは
1996年のことだ
当時、彼は高卒から、
世界最高峰のバスケットボールリーグNBAに入ったばかりの、
若干18歳のルーキーだった。
体も技術も全然なくせに
負けん気ばっかり強くて、
いつも「ボールをよこせ」って叫んでた。
パスをしないでいつもシュートばっかり打っていた。
リングにかすりもしないことを「エアボール」と言うが、
コービーはエアボールばっかりだった。
「エア・ジョーダンは宙を華麗に舞うが
コービーはエアボールばっかりのエアだ」
なんてからかわれていた。
時は変わる。
コービーは上手くなって、すごいプレーヤーになった。
ジョーダンのブルズ以来となるリーグ3連覇も果たした。
得点王にもなった。MVPにもなった。オールスターの常連にもなった。
NBAを代表するスーパースターになった。
時は変わる。
レブロンジェームス、ケビンデュラント、
リーグには新しいスターが次々に台頭した。
LAは常勝軍団ではなくなりつつあった。
そんな時、コービーはアキレス腱断裂という大けがを負った。
34歳にして初めての大けがだ。
バスケットボールどころか、日常生活さえ危ぶまれた。
この時期、コービーの所属するロサンゼルスレイカーズ(LA)は
負けっぱなしの常敗集団で、かつての面影はどこにもなかった。
コービー一人が復帰しても、どうにもならないことは目に見えていた。
「引退」
誰もが思った。
もう十分やったよ。
これ以上、何を求める?
輝かしい功績に泥を塗るだけだ。
誰もが思った。
でも、コービーは1年のブランクを経て、コートに帰ってきた。
あの頃のようには飛べない。
あの頃のようには走れない。
それでも、コービーはあの頃と同じように
「ボールをよこせ」と叫び、シュートを打ちまくった。
「勝つ気があるのか? 悔しくないのか?」チームメイトを怒鳴りまくった。
批判は多い。
もっと回りを活かせとか
自分の衰えを自覚しろとか
色々ある。
正直な話を言えば、
今シーズンのコービーはひどい。
シュートを30本打って、5本ぐらいしか入らないこともざらだ。
ルーキーシーズンを彷彿とさせる、ひどさだ。
バスケットボールをやっていた身として言うなら
エアボールが続けば、普通、シュートを打つのが怖くなる。
ましてや、それが試合終了間際、1.2点を争うシーンならなおさらだ。
でも、コービーはたとえどんな時であろうと
「ボールをよこせ」と叫び、
ためらうことなくシュートを打つ。
私は、そこがすごい、と思う。
以前、同じようなことを質問した記者がいて、
コービーはインタビューでこんな風に言っていた。
「何本外そうが俺は打つ。俺ならば30本中0本までやる。
たとえば、10本中0本で終わってしまったとする。
それは自分自身に負けたということ。
自分からゲームを逃げ出してしまったということだ」
そんな彼が、先日、ジョーダンの得点数を抜いた。
これは、その偉大な記録を樹立した日、
彼がコラムに寄せたエッセイだ。
http://tunadrama.com/blog/kobe-essay-zero-after-passing-jordan/
なんてすばらしいコメントなんだろうと、感心した。
コービーは、他の誰でもなく、
自分と闘い続けている。
私はコービーのプレイを見ていると、勇気が出てくる。
1996年のことだ
当時、彼は高卒から、
世界最高峰のバスケットボールリーグNBAに入ったばかりの、
若干18歳のルーキーだった。
体も技術も全然なくせに
負けん気ばっかり強くて、
いつも「ボールをよこせ」って叫んでた。
パスをしないでいつもシュートばっかり打っていた。
リングにかすりもしないことを「エアボール」と言うが、
コービーはエアボールばっかりだった。
「エア・ジョーダンは宙を華麗に舞うが
コービーはエアボールばっかりのエアだ」
なんてからかわれていた。
時は変わる。
コービーは上手くなって、すごいプレーヤーになった。
ジョーダンのブルズ以来となるリーグ3連覇も果たした。
得点王にもなった。MVPにもなった。オールスターの常連にもなった。
NBAを代表するスーパースターになった。
時は変わる。
レブロンジェームス、ケビンデュラント、
リーグには新しいスターが次々に台頭した。
LAは常勝軍団ではなくなりつつあった。
そんな時、コービーはアキレス腱断裂という大けがを負った。
34歳にして初めての大けがだ。
バスケットボールどころか、日常生活さえ危ぶまれた。
この時期、コービーの所属するロサンゼルスレイカーズ(LA)は
負けっぱなしの常敗集団で、かつての面影はどこにもなかった。
コービー一人が復帰しても、どうにもならないことは目に見えていた。
「引退」
誰もが思った。
もう十分やったよ。
これ以上、何を求める?
輝かしい功績に泥を塗るだけだ。
誰もが思った。
でも、コービーは1年のブランクを経て、コートに帰ってきた。
あの頃のようには飛べない。
あの頃のようには走れない。
それでも、コービーはあの頃と同じように
「ボールをよこせ」と叫び、シュートを打ちまくった。
「勝つ気があるのか? 悔しくないのか?」チームメイトを怒鳴りまくった。
批判は多い。
もっと回りを活かせとか
自分の衰えを自覚しろとか
色々ある。
正直な話を言えば、
今シーズンのコービーはひどい。
シュートを30本打って、5本ぐらいしか入らないこともざらだ。
ルーキーシーズンを彷彿とさせる、ひどさだ。
バスケットボールをやっていた身として言うなら
エアボールが続けば、普通、シュートを打つのが怖くなる。
ましてや、それが試合終了間際、1.2点を争うシーンならなおさらだ。
でも、コービーはたとえどんな時であろうと
「ボールをよこせ」と叫び、
ためらうことなくシュートを打つ。
私は、そこがすごい、と思う。
以前、同じようなことを質問した記者がいて、
コービーはインタビューでこんな風に言っていた。
「何本外そうが俺は打つ。俺ならば30本中0本までやる。
たとえば、10本中0本で終わってしまったとする。
それは自分自身に負けたということ。
自分からゲームを逃げ出してしまったということだ」
そんな彼が、先日、ジョーダンの得点数を抜いた。
これは、その偉大な記録を樹立した日、
彼がコラムに寄せたエッセイだ。
http://tunadrama.com/blog/kobe-essay-zero-after-passing-jordan/
なんてすばらしいコメントなんだろうと、感心した。
コービーは、他の誰でもなく、
自分と闘い続けている。
私はコービーのプレイを見ていると、勇気が出てくる。
2014年12月16日火曜日
心を動かす言葉たち「月と6ペンス」より
描かないじゃいられないのだ。自分でもどうにもならないのだ。水に落ちた人間は、泳ぎが巧かろう拙かろうと、そんなこと言っておられるか。何としても、助からなければ溺れ死ぬばかりだ。
2014年12月12日金曜日
「日々ロック」の制作秘話
先日、シナリオセンターで
映画「日々ロック」の監督・脚本を務めた、
入江さんの講演を聞く機会がありました。
とても面白かったので
印象的に残ったことをちょっと書いておきます。
既にご存知かもしれませんが、
日々ロックには宇田川咲というヒロインが出てきます。
漫画原作では「ロックミュージシャン」という設定ですが
映画では「アイドル」に変わっています。
入江さんがその理由をお話ししていたのですが
一つ目の理由は、音楽映画としてやる以上、ロックばっかりじゃなくて、
他のジャンルがあった方がいいと思ったから。
それから、もう一つの理由がすごく印象的だったのですが
入江さん曰く「今時はアイドルの方がロック」だから。
「アイドルって、自分の寿命を知ってるでしょ。
しかも、ライバルも多いし。だから、すごく一生懸命なんですよね。
ももクロなんか特にそうだけど、
今、今この時しかないぜ、っていう刹那的な魅力がある。
それに比べると、ロックミュージシャンは甘い。
いつか売れればいいとか、いつかFNS歌謡祭に出られればいいとか
夢も小さいし、今しかないという感じもしない」
これはなるほどなあと思いました。
漫画原作の脚色だからといって
そのままの設定でいい、というわけではないんですよね。
「やるからには、もっと面白くしなくちゃ、やる意味ない」。その通りです。
にしても、すごい視点で物事をみてるなあと関心してしまいました。
アイドルの方がロックだなんて。
他に、原作モノの脚色について、
入江さんはこんなことも言ってました。
「原作が一体の牛だとする。
牛を解体して、それをつなぎ合わせて加工することが、
脚色というわけではない。
まず、牛をじっくり観察して急所を捉え一撃で殺す。
鋭利な刃物で頚動脈を切り、
その血(エッセンス)を持って帰り仕事をするのが脚色だ」
※橋本忍さんの「砂の器」の一説を引用しているそうです。
原作を読んでいて
「ここが面白い」と思ったところを
自分なりにちゃんと活かしていれば、
結果どんな形になろうと、それは立派な脚色だという事です。
これまではオリジナルしか手掛けてきませんでしたが
「脚色も楽しそうだな」と思えました。
早く同じ土俵で語り合えるようにがんばるぞ!
映画「日々ロック」の監督・脚本を務めた、
入江さんの講演を聞く機会がありました。
とても面白かったので
印象的に残ったことをちょっと書いておきます。
既にご存知かもしれませんが、
日々ロックには宇田川咲というヒロインが出てきます。
漫画原作では「ロックミュージシャン」という設定ですが
映画では「アイドル」に変わっています。
入江さんがその理由をお話ししていたのですが
一つ目の理由は、音楽映画としてやる以上、ロックばっかりじゃなくて、
他のジャンルがあった方がいいと思ったから。
それから、もう一つの理由がすごく印象的だったのですが
入江さん曰く「今時はアイドルの方がロック」だから。
「アイドルって、自分の寿命を知ってるでしょ。
しかも、ライバルも多いし。だから、すごく一生懸命なんですよね。
ももクロなんか特にそうだけど、
今、今この時しかないぜ、っていう刹那的な魅力がある。
それに比べると、ロックミュージシャンは甘い。
いつか売れればいいとか、いつかFNS歌謡祭に出られればいいとか
夢も小さいし、今しかないという感じもしない」
これはなるほどなあと思いました。
漫画原作の脚色だからといって
そのままの設定でいい、というわけではないんですよね。
「やるからには、もっと面白くしなくちゃ、やる意味ない」。その通りです。
にしても、すごい視点で物事をみてるなあと関心してしまいました。
アイドルの方がロックだなんて。
他に、原作モノの脚色について、
入江さんはこんなことも言ってました。
「原作が一体の牛だとする。
牛を解体して、それをつなぎ合わせて加工することが、
脚色というわけではない。
まず、牛をじっくり観察して急所を捉え一撃で殺す。
鋭利な刃物で頚動脈を切り、
その血(エッセンス)を持って帰り仕事をするのが脚色だ」
※橋本忍さんの「砂の器」の一説を引用しているそうです。
原作を読んでいて
「ここが面白い」と思ったところを
自分なりにちゃんと活かしていれば、
結果どんな形になろうと、それは立派な脚色だという事です。
これまではオリジナルしか手掛けてきませんでしたが
「脚色も楽しそうだな」と思えました。
早く同じ土俵で語り合えるようにがんばるぞ!
2014年12月11日木曜日
映画目録「カウガールブルース」
<あらすじ>
並はずれて大きな親指を持って生まれてきた少女。コンプレックスのため、奥手な幼年時代を過ごすが、大人になると大きな親指を利用してヒッチハイクの達人へ。偏見・嘲笑などから逃れるように大陸中を縦断し続ける。ある時、モデルの仕事で訪れた牧場で、女だてらに牛を追う「カウガール」の集団に出会う。自由な生き方に憧れる女は、カウガールのリーダーと恋に落ちる。
<多分ここが面白いところ>
・ヒッチハイクでは思い通りに車を停められるのに、人生ではほとんど思い通りに生きられない女。そんな女が様々な出来事を通じて、「人生だって、自分が思ったように生きられるんだ」ということに気づくまでを描いた作品だと思う。
・性的に奥手だった女が、出会いを通じて性に目覚めていく。でも、よく分からないから右往左往するんだけど、それが悪戦苦闘しながらも心を開いていく姿にリンクしている。大きな親指をペニスみたいにして自慰しようとするシーンは悲しくて、笑える。
・ヒッチハイクの達人とか、入れ歯のオカマとか、ドラッグ好きの鶴とか、“カウガール”とか、ムチ使いの女とか、スケベな仙人とか、すべての存在が徹底してバカバカしい。
<印象的なシーン>
ヒッチハイクのシーン。コンプレックスのはずの親指を、その時だけ、逆に利用して、思いのままに車を停める女。とにかく恰好いい。
並はずれて大きな親指を持って生まれてきた少女。コンプレックスのため、奥手な幼年時代を過ごすが、大人になると大きな親指を利用してヒッチハイクの達人へ。偏見・嘲笑などから逃れるように大陸中を縦断し続ける。ある時、モデルの仕事で訪れた牧場で、女だてらに牛を追う「カウガール」の集団に出会う。自由な生き方に憧れる女は、カウガールのリーダーと恋に落ちる。
<多分ここが面白いところ>
・ヒッチハイクでは思い通りに車を停められるのに、人生ではほとんど思い通りに生きられない女。そんな女が様々な出来事を通じて、「人生だって、自分が思ったように生きられるんだ」ということに気づくまでを描いた作品だと思う。
・性的に奥手だった女が、出会いを通じて性に目覚めていく。でも、よく分からないから右往左往するんだけど、それが悪戦苦闘しながらも心を開いていく姿にリンクしている。大きな親指をペニスみたいにして自慰しようとするシーンは悲しくて、笑える。
・ヒッチハイクの達人とか、入れ歯のオカマとか、ドラッグ好きの鶴とか、“カウガール”とか、ムチ使いの女とか、スケベな仙人とか、すべての存在が徹底してバカバカしい。
<印象的なシーン>
ヒッチハイクのシーン。コンプレックスのはずの親指を、その時だけ、逆に利用して、思いのままに車を停める女。とにかく恰好いい。
2014年12月10日水曜日
選挙のこと・この国のこと・未来のこと
一日3食じゃなくて2食でいい(何なら1食でもいい)。
肉や魚は週1回でもいい。お菓子も我慢する。
洗濯機や冷蔵庫がなくなるのはさすがにきついけど、
テレビとかゲームとかは別にやらなくていい。
クーラーや暖房もできるだけつけないようにする。
お風呂も3日入る。残り湯で洗濯する。何ならそれでトイレも流す。
そうすることで、子ども達に
未来が残せるののなら、そうする。
贅沢なんて、別にしなくていい。
コンビニがなくなってもいい。スイーツもチョコも我慢する。
仕事が多少減っても、稼ぐお金が少なくなっても
食べられるものが減っても、着たい服が着れなくても別に構わない。
自分のモノがなくなったら、誰かに借りようと思う。
頭を下げて、借りようと思う。
どんな聖人君子だと思うかもしれないけれど
僕の義母は、実際、そうやって生きている。
僕と妻が一緒に住み始めた時、結婚祝いにと、
スーパーを駆け回って炊飯器を買ってきてくれた義母だ。
「もったいない」「もったいない」って。
そう言いながら日々、節約して
僕の息子のためにささやかなぜいたく品を買ってきてくれる。
ユニクロの服を買ってあげたら、嬉しそうに、いつも着ている。
「これがあると温かい」だから、家の暖房もつけない。
義母は、右肩上がりの経済成長なんて、別に望んでない。
日本国のプライドなんて、別に気にしていない。
ただ、家族が幸せで健康であるといいな、
そう願っているだけだ。
義母に「選挙に行け」とは、とても言えない。
景気回復とか、集団的自衛権とか、国防軍とか、日本を取り戻すとか、
よく分からない話ばっかりしている選挙に
どうして「行かないとダメ」なんて言えるんだろう。
論点がずれている。
経済が回復しないと、
人は幸せになれないというのは、
大きなミスリードだ。
株価と幸せが連動しているというのは
鼻が大きい奴はチンコが大きいというくらい
ゲスな都市伝説だ。
そんなことはない。
「そんなことはない!」
と一生懸命力説する政治家がいてもいいのに、いない。
「経済回復なんか知るか、犬にでも食わせておけ」
それぐらい言ってくれよ。誰か。
とにもかくにも、選挙です。
ぶっちゃけ、自分だけなら
「どうでもいい」と投げ出すのですが
子どもは生きていくんですよね。
私が投げ出した社会を。
かつて、キューバに核兵器が持ち込まれた時、
ケネディ大統領はキューバを海上封鎖するかどうか
ものすごく迷ったそうです。そして
「子どもがいなければこういう判断は楽なのだが」
と言ったそうです。
本当にそう思います。
子どもがいるから、未来があるから、
何とか生きてる、そう思います。
とりあえず、
自民党以外に入れてみます。
天邪鬼なので。
できたら、みんなもそうして下さい。
よろしくお願いします。
肉や魚は週1回でもいい。お菓子も我慢する。
洗濯機や冷蔵庫がなくなるのはさすがにきついけど、
テレビとかゲームとかは別にやらなくていい。
クーラーや暖房もできるだけつけないようにする。
お風呂も3日入る。残り湯で洗濯する。何ならそれでトイレも流す。
そうすることで、子ども達に
未来が残せるののなら、そうする。
贅沢なんて、別にしなくていい。
コンビニがなくなってもいい。スイーツもチョコも我慢する。
仕事が多少減っても、稼ぐお金が少なくなっても
食べられるものが減っても、着たい服が着れなくても別に構わない。
自分のモノがなくなったら、誰かに借りようと思う。
頭を下げて、借りようと思う。
どんな聖人君子だと思うかもしれないけれど
僕の義母は、実際、そうやって生きている。
僕と妻が一緒に住み始めた時、結婚祝いにと、
スーパーを駆け回って炊飯器を買ってきてくれた義母だ。
「もったいない」「もったいない」って。
そう言いながら日々、節約して
僕の息子のためにささやかなぜいたく品を買ってきてくれる。
ユニクロの服を買ってあげたら、嬉しそうに、いつも着ている。
「これがあると温かい」だから、家の暖房もつけない。
義母は、右肩上がりの経済成長なんて、別に望んでない。
日本国のプライドなんて、別に気にしていない。
ただ、家族が幸せで健康であるといいな、
そう願っているだけだ。
義母に「選挙に行け」とは、とても言えない。
景気回復とか、集団的自衛権とか、国防軍とか、日本を取り戻すとか、
よく分からない話ばっかりしている選挙に
どうして「行かないとダメ」なんて言えるんだろう。
論点がずれている。
経済が回復しないと、
人は幸せになれないというのは、
大きなミスリードだ。
株価と幸せが連動しているというのは
鼻が大きい奴はチンコが大きいというくらい
ゲスな都市伝説だ。
そんなことはない。
「そんなことはない!」
と一生懸命力説する政治家がいてもいいのに、いない。
「経済回復なんか知るか、犬にでも食わせておけ」
それぐらい言ってくれよ。誰か。
とにもかくにも、選挙です。
ぶっちゃけ、自分だけなら
「どうでもいい」と投げ出すのですが
子どもは生きていくんですよね。
私が投げ出した社会を。
かつて、キューバに核兵器が持ち込まれた時、
ケネディ大統領はキューバを海上封鎖するかどうか
ものすごく迷ったそうです。そして
「子どもがいなければこういう判断は楽なのだが」
と言ったそうです。
本当にそう思います。
子どもがいるから、未来があるから、
何とか生きてる、そう思います。
とりあえず、
自民党以外に入れてみます。
天邪鬼なので。
できたら、みんなもそうして下さい。
よろしくお願いします。
2014年12月9日火曜日
SRの7分47秒が好き
昨日、シナリオセンターの特別講義で
入江悠監督のお話を聞いてきました。
※この講義のことはまた後日。
入江さんと言えば、
SR(サイタマのラッパー)シリーズ。
埼玉県深谷市という、田舎でも都会でもない「郊外」で
ラップをする若者達の「リアルな日常」を切り取った作品。
私は、この作品が本当に大好きで、
それきっかけで入江さんのことも好きになりました。
まだ「SR」を知らないという方のために、ちょっと説明しておきます。
これは何ていうか「痛い作品です」。ものすごく。
二ートと、農家の男と、おっぱぶの店員が
「次のライブは東海岸系で行く?西海岸系で行く?」とか
「深谷から世界へソウル・トゥ・ソウル」とか言っちゃってて。
現実を見てないわけです。
※「ラップ=カッコイイ」という8mile(エミネム)的な感覚で見たら卒倒します。
当然ながら、主人公たちはひどい目にあいます。
中学校時代に憧れていた女性には
「お前ら宇宙人かよ」と言われて
そいつは実はAV女優になってて(これは辛い)
ブラザーとか言ってた先輩達からは
「ふざけて付き合ってただけ」とバカにされ、散々な目に合うんです。
だんだん、プライドも強がりも奪われて、
丸裸になっていくんですが、それでも、主人公は諦めないんですね。
挫折した主人公と友人がそば屋で再会して、
「もう一回、もう一回、がんばろう」って
ラップでメッセージを伝えるシーンがあるんですが、これがすごい。
※7分47秒1カット(編集なし)
鬼気迫るものがあります。
誰かに、何かを伝えるって、本気で伝えるって、
これぐらいパワーがいるし、これぐらい感動的なことなんだって。
見入っちゃいましたね。
入江さんも当時は映画人として崖っぷちだったそうです。
この世界に入ってあの当時で10年目。
商業ベースの映画がことごとく上手くいかず、
「これでダメならもうやめる」と臨んだのが
地元・深谷で撮影したこの映画だったとか。
入江さんの「俺の想い、届け!届け!」という熱意が
そのまま主人公や作品に投影されたとても素晴らしい作品です。
まだ見たことのない人はぜひ!
入江悠監督のお話を聞いてきました。
※この講義のことはまた後日。
入江さんと言えば、
SR(サイタマのラッパー)シリーズ。
埼玉県深谷市という、田舎でも都会でもない「郊外」で
ラップをする若者達の「リアルな日常」を切り取った作品。
私は、この作品が本当に大好きで、
それきっかけで入江さんのことも好きになりました。
まだ「SR」を知らないという方のために、ちょっと説明しておきます。
これは何ていうか「痛い作品です」。ものすごく。
二ートと、農家の男と、おっぱぶの店員が
「次のライブは東海岸系で行く?西海岸系で行く?」とか
「深谷から世界へソウル・トゥ・ソウル」とか言っちゃってて。
現実を見てないわけです。
※「ラップ=カッコイイ」という8mile(エミネム)的な感覚で見たら卒倒します。
当然ながら、主人公たちはひどい目にあいます。
中学校時代に憧れていた女性には
「お前ら宇宙人かよ」と言われて
そいつは実はAV女優になってて(これは辛い)
ブラザーとか言ってた先輩達からは
「ふざけて付き合ってただけ」とバカにされ、散々な目に合うんです。
だんだん、プライドも強がりも奪われて、
丸裸になっていくんですが、それでも、主人公は諦めないんですね。
挫折した主人公と友人がそば屋で再会して、
「もう一回、もう一回、がんばろう」って
ラップでメッセージを伝えるシーンがあるんですが、これがすごい。
※7分47秒1カット(編集なし)
鬼気迫るものがあります。
誰かに、何かを伝えるって、本気で伝えるって、
これぐらいパワーがいるし、これぐらい感動的なことなんだって。
見入っちゃいましたね。
入江さんも当時は映画人として崖っぷちだったそうです。
この世界に入ってあの当時で10年目。
商業ベースの映画がことごとく上手くいかず、
「これでダメならもうやめる」と臨んだのが
地元・深谷で撮影したこの映画だったとか。
入江さんの「俺の想い、届け!届け!」という熱意が
そのまま主人公や作品に投影されたとても素晴らしい作品です。
まだ見たことのない人はぜひ!
2014年12月8日月曜日
心を動かす言葉たち「プラネタリウムのふたご」より
ぼくたちはまるで、海をただよっていく氷山だ。ゆっくりと溶けて、少しずつ少しずつ、確実に小さくなっていく。でもそれは、すりきれて消えるってことじゃない。氷は、もっと大きな海へ、清冽な水となって溶けだしていく。つながっているんだ。
2014年12月5日金曜日
「キャプテンサンダーボルト」が楽しすぎる
主役は、30歳を超えた男二人。
・頭は切れるが慎重すぎるあまり行動力に欠ける井ノ原。
・行き当たりばったりで行動して後からいつも後悔する相葉。
かつて少年野球のチームメイトであり
真逆の価値観(スタイル)故に「悪友」としていいコンビだったが
些細な行き違いから、交友を絶ってしまう。
その後、めいめいの人生を生きてきたが、
いずれも子どもの頃に思い描いていたような人生を送れず、
おまけに借金までこさえて、悶々とした日々を送っている。
ある時、お金欲しさに怪しい誘いに乗ったところ、
運命的な邂逅を果たす二人…。
最初はぎくしゃくしているが、
様々な苦難を経て徐々に心を開き、
「あの頃」のような輝きを取り戻していく。
――――――――――――という感じのストーリーです。
最初は、井ノ原と相葉、
それぞれのパートが交替で語られています。
・井ノ原のパートは伊坂さん
・相葉のパートは阿部さん
というように分業して書かれているのですが(名前も似ています)
二人が合流して「二人旅」になった後は、文体も混ざってきます
※二人の接着剤として出てくる女性が「桃沢」というのですが、これはおそらく、似た名前の編集者の方ではないかと思います(桃子?)。
つまり「スタイル(価値観)の違う二人のぶつかりあい」というのが、
劇中だけでなく、創作上でも実現しているわけで
これが読んでいる側にはとても面白いです。
※実際、相手が書いたものに手を入れる、というやり方で創作していったそうです。
どっからどこまでが伊坂さんで
どっからどこまでが阿部さんなのか。
これは伊坂さんかな? 阿部さんかな?
いちいち想像したりして。
※そんなこと考える暇もないくらい、スリリングな展開なのですが。
おまけに、舞台となる都市は、仙台と山形。
これは言わずもがな、伊坂さんと阿部さん、二人のホームグラウンドです。
(伊坂さんは仙台、阿部さんは山形。小説の舞台としてよく出てきます)。
「舞台」という点でも、混ざり合っているんですね。
色んな意味で「合作」です。
「本当の合作だ!」と叫びたくなるのも無理ないですね。
「純文学とエンターテイメントの区切りなど、ない。
ここにはただ、最高に面白い小説があるだけだ」
その通りです。本当に面白いです!
・頭は切れるが慎重すぎるあまり行動力に欠ける井ノ原。
・行き当たりばったりで行動して後からいつも後悔する相葉。
かつて少年野球のチームメイトであり
真逆の価値観(スタイル)故に「悪友」としていいコンビだったが
些細な行き違いから、交友を絶ってしまう。
その後、めいめいの人生を生きてきたが、
いずれも子どもの頃に思い描いていたような人生を送れず、
おまけに借金までこさえて、悶々とした日々を送っている。
ある時、お金欲しさに怪しい誘いに乗ったところ、
運命的な邂逅を果たす二人…。
最初はぎくしゃくしているが、
様々な苦難を経て徐々に心を開き、
「あの頃」のような輝きを取り戻していく。
――――――――――――という感じのストーリーです。
最初は、井ノ原と相葉、
それぞれのパートが交替で語られています。
・井ノ原のパートは伊坂さん
・相葉のパートは阿部さん
というように分業して書かれているのですが(名前も似ています)
二人が合流して「二人旅」になった後は、文体も混ざってきます
※二人の接着剤として出てくる女性が「桃沢」というのですが、これはおそらく、似た名前の編集者の方ではないかと思います(桃子?)。
つまり「スタイル(価値観)の違う二人のぶつかりあい」というのが、
劇中だけでなく、創作上でも実現しているわけで
これが読んでいる側にはとても面白いです。
※実際、相手が書いたものに手を入れる、というやり方で創作していったそうです。
どっからどこまでが伊坂さんで
どっからどこまでが阿部さんなのか。
これは伊坂さんかな? 阿部さんかな?
いちいち想像したりして。
※そんなこと考える暇もないくらい、スリリングな展開なのですが。
おまけに、舞台となる都市は、仙台と山形。
これは言わずもがな、伊坂さんと阿部さん、二人のホームグラウンドです。
(伊坂さんは仙台、阿部さんは山形。小説の舞台としてよく出てきます)。
「舞台」という点でも、混ざり合っているんですね。
色んな意味で「合作」です。
「本当の合作だ!」と叫びたくなるのも無理ないですね。
「純文学とエンターテイメントの区切りなど、ない。
ここにはただ、最高に面白い小説があるだけだ」
その通りです。本当に面白いです!
2014年12月3日水曜日
シナリオセンターのこと2(研修課を卒業しました。)
「シナリオセンター」って、
日本で数少ない脚本家養成学校で
しかもその中では断トツの実績の割に、
意外と、どういうものなのか、知られていないみたいですね。
今後、入校を検討している人もいると思うので、
この際、リアルタイムに受講している生徒(私)が、
・どんな授業を受けてきたのか
・どんな感想を持っているのか
・どんなところが勉強になったと思っているのか
ここにまとめておきたいと思います。
◆作家養成講座
2013年2月入校
↓
2013年7月修了
<内容について>
・シナリオというのは、柱とト書きと台詞でできてるんだよ。
・「不安になったAは助けを求める」というト書きはダメだよ。
・シナリオは設計図。みんなが分かるものじゃないとダメだよ。
みたいな基礎の基礎から教えてもらいました。
基本的に座学の講義ですが、
少したつと課題が出てきます。
最初は200字詰めで3枚からスタートし、
その後、少しずつ分量が増えて、
最終的に20枚シナリオ(時間で言うと10分)が書けるようになる、
という仕組みです。
ちなみに、課題はその場で読み上げるのではなく
講師に提出して赤字をいれてもらうだけ。
出さなくても別に何のペナルティもありません。
ただ20本すべて提出すると、いいことがあります(内緒)。
<感想>
「すごく為になる」という感じではありませんでしたが
シナリオを書くにはルールがあって、
それを守らないと「内容以前の段階で損する」
ということを身を持って学んだ期間だったように思います。
印象に残っているのは
「型を知っていて、初めて型破りなモノが作れる。
型を持たずにやったら、ただの型無しだよ」という忠告。
創始者の新井先生の言葉だそうですが、なるほどなって感じでした。
◆研修課
2013年8月入校
↓※途中、ぽつぽつ休んでます。休んでる間は月3000円です。
2014年11月修了
<内容について>
課題に沿った20枚シナリオを持ち寄って
みんなの前で発表して、その後、
生徒→講師の順でああだこうだ言い合う場所です。
別に書いてこなくても、ペナルティはありません。
ただ、30本書かないと卒業できないので、
発表しないとお金がもったいないです。
どんなことを、どんな風に言われるか、
クラスの雰囲気などは、クラスによって大きく異なります。
私が在籍していたクラスでは
出席者3~6名で、発表するのは4~5人という感じ。
時間が結構あったので、1人1人へのコメントも手厚かったです。
日によっては、1人も発表せず、
後の余った時間は講師の人がひたすら喋り続けるという日もありました(笑)。
それとは逆に発表する人が多すぎて、
ああだこうだ言う機会がない、というクラスもあるようです。
色々ですね。
<感想>
私は基本的に実践が好きなので、
自分の書いたものがどういう風に評価されるのか、
毎回ワクワクしてすごく楽しかったです。
面白いものは「面白い!」と褒めてもらえますが
・テーマに沿っていない
・葛藤や盛り上がりにかける
・キャラが薄い
・展開がありきたり
・時代考証がおかしいなど
多くの突っ込みを受けます。
私の所属していたクラスは、割合優しかった方かな。
他を知らないので何とも言えませんが、
中には突っ込みばっかりのギスギスしたクラスもあるようです。
これは勉強になったという点をあげるとしたら
◇キャラが面白いとシナリオは面白くなる。
前から言われていたことですが、改めて思い知りました。
◇自分が面白いと思うのと、人が面白いと思う部分は違う。
そのうち、重なり合った部分が大切。
◇シナリオは書いてあることがすべて。
設定や背景を後付けしてもムダ。書ききることが大切。
その3点でしょうか。
あと、シナリオって本当に「その人らしさ」が出る、
ということは実感しました。
ゼミの後半の方は、これは誰が書いたか、言い当てられたと思います。
◆これから
作家集団に上がるつもりです。
まだ決めかねていますが…。
シナセンの悪口を色々言う人もいるようですが、
私は通ってよかったと思っています。
クラスの中には、すごい面白くて、上手い人もいました。
全然面白くないけど、飲んだら面白い人もいました。
「こいつに負けないようにがんばろう」
「こいつみたいにはならないようにしよう」
そう思って、がんばりました。
一人で書いていると巡り合えない「出会い」がたくさんありました。
不遇の時代を一緒にした仲間。
これはお金や地位・肩書・名誉では手に入れられない財産です。
日本で数少ない脚本家養成学校で
しかもその中では断トツの実績の割に、
意外と、どういうものなのか、知られていないみたいですね。
今後、入校を検討している人もいると思うので、
この際、リアルタイムに受講している生徒(私)が、
・どんな授業を受けてきたのか
・どんな感想を持っているのか
・どんなところが勉強になったと思っているのか
ここにまとめておきたいと思います。
◆作家養成講座
2013年2月入校
↓
2013年7月修了
<内容について>
・シナリオというのは、柱とト書きと台詞でできてるんだよ。
・「不安になったAは助けを求める」というト書きはダメだよ。
・シナリオは設計図。みんなが分かるものじゃないとダメだよ。
みたいな基礎の基礎から教えてもらいました。
基本的に座学の講義ですが、
少したつと課題が出てきます。
最初は200字詰めで3枚からスタートし、
その後、少しずつ分量が増えて、
最終的に20枚シナリオ(時間で言うと10分)が書けるようになる、
という仕組みです。
ちなみに、課題はその場で読み上げるのではなく
講師に提出して赤字をいれてもらうだけ。
出さなくても別に何のペナルティもありません。
ただ20本すべて提出すると、いいことがあります(内緒)。
<感想>
「すごく為になる」という感じではありませんでしたが
シナリオを書くにはルールがあって、
それを守らないと「内容以前の段階で損する」
ということを身を持って学んだ期間だったように思います。
印象に残っているのは
「型を知っていて、初めて型破りなモノが作れる。
型を持たずにやったら、ただの型無しだよ」という忠告。
創始者の新井先生の言葉だそうですが、なるほどなって感じでした。
◆研修課
2013年8月入校
↓※途中、ぽつぽつ休んでます。休んでる間は月3000円です。
2014年11月修了
<内容について>
課題に沿った20枚シナリオを持ち寄って
みんなの前で発表して、その後、
生徒→講師の順でああだこうだ言い合う場所です。
別に書いてこなくても、ペナルティはありません。
ただ、30本書かないと卒業できないので、
発表しないとお金がもったいないです。
どんなことを、どんな風に言われるか、
クラスの雰囲気などは、クラスによって大きく異なります。
私が在籍していたクラスでは
出席者3~6名で、発表するのは4~5人という感じ。
時間が結構あったので、1人1人へのコメントも手厚かったです。
日によっては、1人も発表せず、
後の余った時間は講師の人がひたすら喋り続けるという日もありました(笑)。
それとは逆に発表する人が多すぎて、
ああだこうだ言う機会がない、というクラスもあるようです。
色々ですね。
<感想>
私は基本的に実践が好きなので、
自分の書いたものがどういう風に評価されるのか、
毎回ワクワクしてすごく楽しかったです。
面白いものは「面白い!」と褒めてもらえますが
・テーマに沿っていない
・葛藤や盛り上がりにかける
・キャラが薄い
・展開がありきたり
・時代考証がおかしいなど
多くの突っ込みを受けます。
私の所属していたクラスは、割合優しかった方かな。
他を知らないので何とも言えませんが、
中には突っ込みばっかりのギスギスしたクラスもあるようです。
これは勉強になったという点をあげるとしたら
◇キャラが面白いとシナリオは面白くなる。
前から言われていたことですが、改めて思い知りました。
◇自分が面白いと思うのと、人が面白いと思う部分は違う。
そのうち、重なり合った部分が大切。
◇シナリオは書いてあることがすべて。
設定や背景を後付けしてもムダ。書ききることが大切。
その3点でしょうか。
あと、シナリオって本当に「その人らしさ」が出る、
ということは実感しました。
ゼミの後半の方は、これは誰が書いたか、言い当てられたと思います。
◆これから
作家集団に上がるつもりです。
まだ決めかねていますが…。
シナセンの悪口を色々言う人もいるようですが、
私は通ってよかったと思っています。
クラスの中には、すごい面白くて、上手い人もいました。
全然面白くないけど、飲んだら面白い人もいました。
「こいつに負けないようにがんばろう」
「こいつみたいにはならないようにしよう」
そう思って、がんばりました。
一人で書いていると巡り合えない「出会い」がたくさんありました。
不遇の時代を一緒にした仲間。
これはお金や地位・肩書・名誉では手に入れられない財産です。
映画目録「サイコ」
<あらすじ>
借金男に惚れた女。男と一緒になりたくて会社から40万ドルを横領。逃亡した先の寂れたモーテルに宿泊する。一方、モーテルの支配人は古い洋館に母親と二人暮らし。呆けた母親の介護とモーテルの運営に追われてうんざり。曰くありげな女に魅力を感じた支配人は、事務所から女の部屋を覗く。
<多分ここが面白いところ>
・サイコっていうのは多分「精神錯乱」みたいな意味なんだろうけど、出てくる登場人物みんな精神錯乱みたいな感じがして、すごくミステリアス。意味もない会話や意味もない言動に、訳も分からず不安を覚える主人公。作り手は狙ってやってるんだろうけど、一々裏を読む自分もサイコになった感じがして面白い。
・主人公とか出てくる人があっさり死ぬところ。見ている側としては、その都度、感情移入する先を失って、あれ?あれあれ?ってなる。もちろん、意図があってそうしているんだろうけど、予期できない結末といい、素晴らしい。「サスペンスとはこういうものだ」って感じがしました。
・伏線の貼り方。たとえば、どうして女が金を横領するのかとか、どうして支配人が鬱屈した思いを抱えているのかとか、どうして鳥の剥製が出てくるのかとか、細部にわたって、きちんと理由づけがされているところ。面白いっていうか、「だから○○だったのか」とその都度、納得感をもって違和感なく見られました。
<印象的なシーン>
死体と40万ドルを乗せた車が、ライトを明滅させながら、沼の中にどぼどぼどぼと沈んでいくところ。それをニヤニヤしながら、何かお菓子を食べながら見つめている支配人。「隠蔽」をものすごくリアルに、シンプルに表す、すごく印象的なシーンだと思います。
借金男に惚れた女。男と一緒になりたくて会社から40万ドルを横領。逃亡した先の寂れたモーテルに宿泊する。一方、モーテルの支配人は古い洋館に母親と二人暮らし。呆けた母親の介護とモーテルの運営に追われてうんざり。曰くありげな女に魅力を感じた支配人は、事務所から女の部屋を覗く。
<多分ここが面白いところ>
・サイコっていうのは多分「精神錯乱」みたいな意味なんだろうけど、出てくる登場人物みんな精神錯乱みたいな感じがして、すごくミステリアス。意味もない会話や意味もない言動に、訳も分からず不安を覚える主人公。作り手は狙ってやってるんだろうけど、一々裏を読む自分もサイコになった感じがして面白い。
・主人公とか出てくる人があっさり死ぬところ。見ている側としては、その都度、感情移入する先を失って、あれ?あれあれ?ってなる。もちろん、意図があってそうしているんだろうけど、予期できない結末といい、素晴らしい。「サスペンスとはこういうものだ」って感じがしました。
・伏線の貼り方。たとえば、どうして女が金を横領するのかとか、どうして支配人が鬱屈した思いを抱えているのかとか、どうして鳥の剥製が出てくるのかとか、細部にわたって、きちんと理由づけがされているところ。面白いっていうか、「だから○○だったのか」とその都度、納得感をもって違和感なく見られました。
<印象的なシーン>
死体と40万ドルを乗せた車が、ライトを明滅させながら、沼の中にどぼどぼどぼと沈んでいくところ。それをニヤニヤしながら、何かお菓子を食べながら見つめている支配人。「隠蔽」をものすごくリアルに、シンプルに表す、すごく印象的なシーンだと思います。
2014年12月2日火曜日
心を動かす言葉たち「69」より
いつの時代にあっても、権力の手先は手強いものだ。唯一の復讐の方法は彼らより楽しく生きることだと思う。楽しく生きるためにはエネルギーがいる。戦いである。わたしはその戦いを今も続けている。
2014年12月1日月曜日
「キャプテンサンダーボルト」が楽しそうすぎる
さっき知ったのですが、
伊坂さんと阿部和重さんが、まさかの合作。
「キャプテンサンダーボルト」
特設サイト
http://hon.bunshun.jp/sp/ctb
対談
http://hon.bunshun.jp/articles/-/2856
連作とか共作じゃなくて、合作です。
二人で編集作業までして、
完全に文体が混ざり合っているそうです。
私が知っている限り、
伊坂さんはエンタメの人で(直木賞)
阿部さんは純文学の人(芥川賞)
完全に、住んでる世界が違う2人です。
そんな2人が手を組むなんて。
仮面ライダーに戦隊ヒーローが出てくるぐらい衝撃です。
まだ読んでないですけど、
絶対楽しいだろうなあ。
「純文学とエンターテイメントの区切りなど、ない。
ここにはただ、最高に面白い小説があるだけだ」
対談読んだだけでも
楽しそうな感じが伝わってきます。
うらやましいなあ。
伊坂さんと阿部和重さんが、まさかの合作。
「キャプテンサンダーボルト」
特設サイト
http://hon.bunshun.jp/sp/ctb
対談
http://hon.bunshun.jp/articles/-/2856
連作とか共作じゃなくて、合作です。
二人で編集作業までして、
完全に文体が混ざり合っているそうです。
私が知っている限り、
伊坂さんはエンタメの人で(直木賞)
阿部さんは純文学の人(芥川賞)
完全に、住んでる世界が違う2人です。
そんな2人が手を組むなんて。
仮面ライダーに戦隊ヒーローが出てくるぐらい衝撃です。
まだ読んでないですけど、
絶対楽しいだろうなあ。
「純文学とエンターテイメントの区切りなど、ない。
ここにはただ、最高に面白い小説があるだけだ」
対談読んだだけでも
楽しそうな感じが伝わってきます。
うらやましいなあ。
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