2015年4月23日木曜日

映画目録「ええじゃないか」

<あらすじ>
江戸両国にある見世物小屋に集まった訳ありの男達。勤王だ倒幕だ、徳川だ薩長だ、騒がしい世相に乗じ、盗み・たかりを繰り返す。しかし次第に、時代の流れに翻弄され、狂わされ、一人、また一人と身持ちを崩していく。鎖国から開国へ、江戸から明治へ。時代の変わり目にあって、日々強く生きぬく庶民達の姿を、たくましく描いている。
<多分ここが面白いところ>
・江戸末期と言えば、時代劇の花形。そのほとんどは「日本をどぎゃんかせんといかん」みたいな大所高所から語られることが多いのですが、そういうのとは明らかに異なる作品です。時代の流れとは全く無縁だけど、その日その日を一生懸命生きた人間達がいた。「実は名もなき庶民こそが、新しい日本を切り開いていったんじゃないか」という視点は、素晴らしいと思いました。
・1979年撮影というだけあって、泉谷しげる、桃井かおり、緒方拳、露口茂、草刈正雄、倍賞美津子、日野正平、田中裕子、みんな若いです。今ではみなさん大御所ですが、こんな初々しい頃があったんだなって、桃井かおりってほんと可愛いんだなって、なんか感動的でした。
<印象的なシーン>
江戸庶民達が怒りを爆発させ、江戸市中を踊り歩き、しまいにはお堀(皇居)に迫るラストシーンです。ここは「権力vs反権力」「秩序vs混沌」「管理vs自由など」劇中にうずまいていた様々な価値観の対立が浮き彫りになる、最大の見せ場です。総勢2000名ものエキストラが「ええじゃないか、ええじゃないか」と踊り狂うのは、ド迫力の映像です。難しいことを考えなくても、これだけでも十分に観る価値があると思います。もう一度、映画館で見て見たい!

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