2015年6月10日水曜日

映画目録「複製された男」

<あらすじ>
大学で講師を務めるアダム。大学と家を往復して、たまに恋人とセックスするだけの単調な日常に嫌気がさしている。そんなある日、偶然目にした映画の中に、自分と瓜二つの男アンソニーを見つける。興味を持ったアダムは、アンソニーの周囲を調べ、居所を突き止める。実は2人は顔、声、生年月日、更には体にできた傷痕まで一致していた。初めは面白半分だったアダムだが、徐々に恐怖を覚え始める。やがて、アダムの恋人やアンソニーの妻をも巻き込み、とんでもない事態に。
※監督は「プリズナーズ」「灼熱の魂」などを手掛けたドゥニ・ヴィルヌーヴ

<多分ここが面白いところ>
・公式サイトのキャッチコピー
 「脳力が試される、究極の心理ミステリー あなたは一度で見抜けるか―」
・私は、こういうことを全く意識せず観たせいもあり、
 何も分からないまま終わってしまいました。
 後で、映画通の友人から「実はこういうことなんだよ」と説明を受けて
 「なるほどーそういえば…」と思った口です。あしからず。
・ネタを明かせば、アダムとアンソニーは人格が違うだけで、同じ人間です。
 古い言い方をすれば「二重人格」というところでしょうか。 
 アダム=浮気している自分 アンソニー=妻と子供を愛している自分
 アダム=平凡な大学講師  アンソニー=華やかな俳優業
・「浮気している時は、妻が恋しくなり、
  妻と一緒にいる時は、愛人が恋しくなる」
 「会社にいれば、家に帰りたくなり、家にいたら、会社に行きたくなる」
 みなさんも日常生活でも、身勝手すぎる矛盾って感じたことありませんか?
 それと同じように、この男は
 アダムでいるときは、アンソニーになりたいと思い、
 アンソニーでいるときは、アダムになりたいと思う。
 それが高じた結果、分裂した人格になってしまったわけですね。
・この映画は、これを違う人間としてその日常を
 「切り取り」「つなぎ合わせた」ことが新しいのだと思います。
 ドゥニ・ヴィルヌーヴは、こういった仕掛けが好きだし、本当に上手いですね。

<印象的なシーン>
アダムがアンソニーに電話をかけてきて、
それを「誰から?」と奥さんが怪しむシーンがあります。
「あなた浮気してるんじゃないの」って。
初めて観ている時は、何とも思わなかったし、
正直、「奥さんうざい」ぐらい思っていたのですが、
真相を知って、思い返してみると、
何とも奥さんが可哀想で可哀想で…。
実際、浮気相手からの電話で、本当に浮気をしていたんですよね。
それを必死こいて言い繕っていたんですよ、あれは。
うーん。物事の見方って、ちょっとしたことでこんなに変わるんですね。

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