2015年1月28日水曜日

映画目録「マイ・プライベート・アイダホ」

<あらすじ>
幼い頃に母親と生き別れた辛い過去を持つ少年 (リバー・フェニックス)。ナルコレプシーという奇病(突然眠りに誘われる病)を抱えながら、NYのブロンクスで体を売って、その日暮らしをしている。一方、金持ちの息子で、父親への反発心から、あえて男娼に身を落としている青年(キアヌ・リーブス)。二人はある日、勢い半分、ブロンクスを飛び出し、アイダホ、ロンドンへと、少年の母親を探す旅に出る。様々な経緯を経て、友情を育む二人だが、結局、母親は見つからない。ブロンクスに戻った二人は別々の道を歩き出す。

<多分ここが面白いところ>
・リバーフェニックスとキアヌリーブスが美しいです。二人でバイクに乗って疾走しているところなんか、もう、少女漫画やBLも真っ青の、ありえないくらいの美しさです。リバーフェニックスが年をとらずして急逝したことを差し引いても、刹那的な輝きがします。ディカプリオもバスケットボールダイアリーの頃、こんな感じでしたが、リバーフェニックスは、もっともっと繊細な感じがします。私見ですが、若い頃の武田真治もこんな感じでしたね。
・リバーフェニックスとキアヌリーブス、二人の対比が面白いです。一方は、やむにやまれず体を売っているのに、もう一方は、人生に必要な経験を得るための「手段」と割り切って体を売っている。一方は、親子の情愛に飢えているのに、もう一方は、不要なものだと切り捨てる。一方は人生を点でとらえ、もう一方は人生を線でとらえる。どっちも自分勝手なのですが、明確な基準点があるとすれば、「愛」に対するスタンスというところでしょうか。愛を信じている少年と、信じていない青年、みたいな。
・二人の結末も大きく異なります。善悪関係なしに、どちらも悲惨な末路です(キアヌが悲惨だということに気付いたのは僕が年をとったからなのかもしれません)。なので、教訓みたいなものは特に導けません。この作品は、価値観の大きく異なる二人の間にも、一瞬、刹那的にであるにしろ「友情(大きな意味で愛)」が成立した、という部分なのかなと思います。決してハッピーエンドではないのですが、余韻は悪くありませんでした。

<印象的なシーン>
最後ですね。よく分からない最後で、判断は観客に任せたのかなと。Webで調べたところ、ラストはお兄さんが助けたということになっているようです(未公開映像が出回っているとか)。私には分かりませんでした。またさらわれてひどい目にあわされるんだろうなと思ってしまいました。

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