2015年3月31日火曜日

映画目録「アメリカン・グラフィティ」

<あらすじ>
1962年のカリフォルニア。高校卒業を迎え、それぞれの道を歩き出そうとしている十代の少年少女の「最後の一夜」を描いた青春群像劇。「謎の美女を探して街をさまよう秀才カート」「自立心旺盛だが遠距離恋愛を巡って恋人と諍いをする秀才テリー」「友達の車を借りてナンパに出かけるびびりのスティーブ」「小学生の子守をする羽目になるマッチョな走り屋ミルナー」など。個性豊かなキャラクターが、どこにでもあるようなことに一喜一憂する、それぞれの「一夜」が描かれています。
※ジョージルーカス監督の長編第二作。これでヒットしたお金を使って、後の「スター・ウォーズ」を製作したそうです。
<多分ここが面白いところ>
・一見すると、複数の登場人物のドラマが、何の脈絡もなく、並列に描かれているように見えます、注意深く見て見ると、ある「共通項」でくくることができます。それは「夢・希望(誇示したいこと)」があるに、そのすべてが「目論見から外れてしまっている」ということ。
○カート→謎の美女と会いたい→会えない
○テリー→街を飛び出して夢を追い求める→街から出られない
○スティーブ→女をぶいぶい言わせる→きゃんきゃん言わされる
○ミルナー→走りなら誰にも負けない→負ける
つまり「思うようにいかない」という点で共通しているので。でも、それが青春ですよね。その辺りが、とてもうまく描かれていて、共感できるし、とてもリアルに感じられました。
・舞台である1962年ならではの車・ダンス・音楽などがふんだんに用いられています。それがとてもオシャレです。特に車。あの頃、アメリカでは、こんな車がたくさん走っていたんだなって。いい時代だったのかどうかは分かりませんが、ある種の人にはとても懐かしく感じられたのではないでしょうか。
<印象的なシーン>
登場人物達の冒険を端的に描いたシーンです。たとえば、秀才カートがギャングにいい格好したくて警察車両に罠をしかけたり、優等生のテリーが教師に向かって「一昨日きやがれ」みたいに捨て台詞を吐いたり、びびりのスティーブが女のためにウイスキーを何とか手に入れようと酒店の外でウロウロしたり、走り屋のミルナーが子守をしていた少女と二人で隣の車に整髪料でいたずらしたり。それぞれの登場人物が、「自分」の枠を超えて、「自分」を表現しているように思えて、好感が持てました。まさしく「グラフィティ(落書き)」です。

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