先日、シナリオセンターで
映画「日々ロック」の監督・脚本を務めた、
入江さんの講演を聞く機会がありました。
とても面白かったので
印象的に残ったことをちょっと書いておきます。
既にご存知かもしれませんが、
日々ロックには宇田川咲というヒロインが出てきます。
漫画原作では「ロックミュージシャン」という設定ですが
映画では「アイドル」に変わっています。
入江さんがその理由をお話ししていたのですが
一つ目の理由は、音楽映画としてやる以上、ロックばっかりじゃなくて、
他のジャンルがあった方がいいと思ったから。
それから、もう一つの理由がすごく印象的だったのですが
入江さん曰く「今時はアイドルの方がロック」だから。
「アイドルって、自分の寿命を知ってるでしょ。
しかも、ライバルも多いし。だから、すごく一生懸命なんですよね。
ももクロなんか特にそうだけど、
今、今この時しかないぜ、っていう刹那的な魅力がある。
それに比べると、ロックミュージシャンは甘い。
いつか売れればいいとか、いつかFNS歌謡祭に出られればいいとか
夢も小さいし、今しかないという感じもしない」
これはなるほどなあと思いました。
漫画原作の脚色だからといって
そのままの設定でいい、というわけではないんですよね。
「やるからには、もっと面白くしなくちゃ、やる意味ない」。その通りです。
にしても、すごい視点で物事をみてるなあと関心してしまいました。
アイドルの方がロックだなんて。
他に、原作モノの脚色について、
入江さんはこんなことも言ってました。
「原作が一体の牛だとする。
牛を解体して、それをつなぎ合わせて加工することが、
脚色というわけではない。
まず、牛をじっくり観察して急所を捉え一撃で殺す。
鋭利な刃物で頚動脈を切り、
その血(エッセンス)を持って帰り仕事をするのが脚色だ」
※橋本忍さんの「砂の器」の一説を引用しているそうです。
原作を読んでいて
「ここが面白い」と思ったところを
自分なりにちゃんと活かしていれば、
結果どんな形になろうと、それは立派な脚色だという事です。
これまではオリジナルしか手掛けてきませんでしたが
「脚色も楽しそうだな」と思えました。
早く同じ土俵で語り合えるようにがんばるぞ!
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