2014年12月3日水曜日

映画目録「サイコ」

<あらすじ>
借金男に惚れた女。男と一緒になりたくて会社から40万ドルを横領。逃亡した先の寂れたモーテルに宿泊する。一方、モーテルの支配人は古い洋館に母親と二人暮らし。呆けた母親の介護とモーテルの運営に追われてうんざり。曰くありげな女に魅力を感じた支配人は、事務所から女の部屋を覗く。
<多分ここが面白いところ>
・サイコっていうのは多分「精神錯乱」みたいな意味なんだろうけど、出てくる登場人物みんな精神錯乱みたいな感じがして、すごくミステリアス。意味もない会話や意味もない言動に、訳も分からず不安を覚える主人公。作り手は狙ってやってるんだろうけど、一々裏を読む自分もサイコになった感じがして面白い。
・主人公とか出てくる人があっさり死ぬところ。見ている側としては、その都度、感情移入する先を失って、あれ?あれあれ?ってなる。もちろん、意図があってそうしているんだろうけど、予期できない結末といい、素晴らしい。「サスペンスとはこういうものだ」って感じがしました。
・伏線の貼り方。たとえば、どうして女が金を横領するのかとか、どうして支配人が鬱屈した思いを抱えているのかとか、どうして鳥の剥製が出てくるのかとか、細部にわたって、きちんと理由づけがされているところ。面白いっていうか、「だから○○だったのか」とその都度、納得感をもって違和感なく見られました。
<印象的なシーン>
死体と40万ドルを乗せた車が、ライトを明滅させながら、沼の中にどぼどぼどぼと沈んでいくところ。それをニヤニヤしながら、何かお菓子を食べながら見つめている支配人。「隠蔽」をものすごくリアルに、シンプルに表す、すごく印象的なシーンだと思います。

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