昨日、シナリオセンターの特別講義で
入江悠監督のお話を聞いてきました。
※この講義のことはまた後日。
入江さんと言えば、
SR(サイタマのラッパー)シリーズ。
埼玉県深谷市という、田舎でも都会でもない「郊外」で
ラップをする若者達の「リアルな日常」を切り取った作品。
私は、この作品が本当に大好きで、
それきっかけで入江さんのことも好きになりました。
まだ「SR」を知らないという方のために、ちょっと説明しておきます。
これは何ていうか「痛い作品です」。ものすごく。
二ートと、農家の男と、おっぱぶの店員が
「次のライブは東海岸系で行く?西海岸系で行く?」とか
「深谷から世界へソウル・トゥ・ソウル」とか言っちゃってて。
現実を見てないわけです。
※「ラップ=カッコイイ」という8mile(エミネム)的な感覚で見たら卒倒します。
当然ながら、主人公たちはひどい目にあいます。
中学校時代に憧れていた女性には
「お前ら宇宙人かよ」と言われて
そいつは実はAV女優になってて(これは辛い)
ブラザーとか言ってた先輩達からは
「ふざけて付き合ってただけ」とバカにされ、散々な目に合うんです。
だんだん、プライドも強がりも奪われて、
丸裸になっていくんですが、それでも、主人公は諦めないんですね。
挫折した主人公と友人がそば屋で再会して、
「もう一回、もう一回、がんばろう」って
ラップでメッセージを伝えるシーンがあるんですが、これがすごい。
※7分47秒1カット(編集なし)
鬼気迫るものがあります。
誰かに、何かを伝えるって、本気で伝えるって、
これぐらいパワーがいるし、これぐらい感動的なことなんだって。
見入っちゃいましたね。
入江さんも当時は映画人として崖っぷちだったそうです。
この世界に入ってあの当時で10年目。
商業ベースの映画がことごとく上手くいかず、
「これでダメならもうやめる」と臨んだのが
地元・深谷で撮影したこの映画だったとか。
入江さんの「俺の想い、届け!届け!」という熱意が
そのまま主人公や作品に投影されたとても素晴らしい作品です。
まだ見たことのない人はぜひ!
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