<あらすじ>
両親の離婚、心通わぬガールフレンドとのいさかいなどに思い悩む16歳の少年。ある日、怖いモノ見たさに出かけたパラノイドパーク(スケボー公園)で、大きな罪を犯してしまう。罪悪感に悩み、苦しむ少年だったが、それとは無関係に、退屈でありふれた毎日が続いていく。本当にこれでいいのか?疑問に思った少年は、自らの行いを日記という形で言葉に表すことに。
<多分ここが面白いところ>
・ドラマを通じて、悪い奴は特にいない。パラノイドパークに誘ってきた友人も、やたら偏執的な刑事も、列車への飛び乗りに誘ってきた奴も、離婚する父親も、弟も、ガールフレンドも、特に悪い奴はいない。ただ、自分のことに手一杯なだけで。ボタンの掛け違えで、みんな、上手くいかずに頭を悩ませている。そこがこの映画の面白いところだと思う。
・見た目は抜群に可愛いけれど、初体験(背伸びすること)に夢中で、少年の心の内などお構いなしのガールフレンド。少年も本当はうんざりしているんだけど、「性欲」とか「相手に悪い」とか色んな理由で、はっきりと言えずにいる。この世代ならではの「分かるよな~」って感じがして面白かった。
・心通わぬガールフレンドに代わって、台頭してくるもう一人の女生徒。見た目は可愛くないけれど、少年の悩み苦しむ心を一生懸命理解しようとしてくれる。少年は結局、こっちの女生徒を選ぶんだけど、その選択も「分かるよな~」って感じがした。
<印象的なシーン>
バスの中で、少年の隣に座った少女が、ハンカチ握りしめているシーン。少年に対してやたらと強気で、インテリぶったことばっか言うけど、「多分、緊張してるんだろうな」って。「きっと、悩んでいる少年の手を握ってあげたかったんだろうな」って。そういうのがよく伝わってきました。
※少年の猫背な歩きを後ろから撮ったシーン(迷い・不安)、黄色に染まったキレイなイチョウ並木(対比)、スイングするスケボーシーン(心の揺れ)、土管の中でのスケボーシーン(出口が見えない)など、とにかく演出にこだわりがあります。ガスバンサントの本領発揮という感じがしました。
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